23.03.13 24.03.17 更新

プログラマーになるには?必要なスキルや仕事を紹介

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プログラマーになるには?必要なスキルや仕事内容を紹介

近年、あらゆる業界で必要とされている職種、プログラマー。人材不足が問題になっているほど売り手市場なので、まず就職には困らない、という魅力的な仕事です。しかし、プログラマーの仕事がどのようなものか、また、なるためにはどうすればいいのか、知らないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回、バンタンテックフォードアカデミーの講師で、現役プログラマーとして活躍されているKboyさんにお話を伺いました。

プログラマーとは

まず、プログラマーとはどのような仕事なのでしょうか? 仕事の魅力ややりがいについてKboyさんにお聞きしました。

プログラマーってどんな仕事?

スマホのアプリや家電など、あらゆる機械を動かすには、そのためのシステムを作らなければなりません。この時、プログラムの仕様書や設計書を基に、コンピューターを動かすために必要なプログラムを実際に作成するのがプログラマーの仕事です。

プログラミング(=プログラムの作成)とは、『このボタンを押したら、テレビの電源を入れる』というように、コンピューターに対する命令文を書いていく作業のことです。この時、機械が認識できる言葉で命令する必要がありますが、そのための言語をプログラミング言語と言います。このプログラミング言語を使って書いた文章のようなものを『コード』と言いますが、コンピューターが正確に理解できるように、プログラマーはわかりやすいコードをミスなく書いていくことが求められます。

 

「私自身も、ニュースアプリ、フリマアプリなど、さまざまなシステムのプログラミングを手がけ、3年前にフリーランスになった後も、さまざまなアプリを開発してきました」(Kboyさん・以下同)

プログラマーとシステムエンジニアの違いは?

前述したシステムエンジニアという職種とプログラマーという職種は、似ているようで違いがあります。どこが違うのでしょうか?

 

「それは担当する仕事の範囲です。システムエンジニアは、クライアントと面談してその要望を聞き取り、仕様書というプログラマーへの指示書を作って、システムの品質チェックを行います。プログラマーは、この仕様書に基づいて、実際のプログラミングをしていきます。つまり、1つのシステムを作る時に、最初から最後まで携わるのがシステムエンジニアで、プログラミングの部分を担当するのがプログラマーです。

ただし、実際には両者の仕事の範囲はもう少しフレキシブルです。プログラマーがシステムエンジニアの仕事の一部に関わることもあれば、システムエンジニアがプログラミングをすることもあります」

プログラマーの魅力・やりがいって?

技術職は一人前になるまで何年もかかるようなイメージがありますが、プログラマーもそうなのでしょうか?

 

「プログラマーの大きな魅力は、短い修行期間で一人前になれることです。スマホの簡単なアプリなら、1年も現場で経験を積めば、1人で作れるようになります。2~3年経験を積んだら、もうプログラマーとしては『中堅』です。というのも、プログラミングの世界は、新しい技術や新しいプログラミング言語がどんどん出てくるので、常に勉強が必要になります。だから、勉強さえ怠らなければ、10年前にプログラマーになった人も、2年前にプログラマーになった人も、『新しい技術』という同じ土俵に立った時には同列なんです。努力すれば、割と簡単にベテランに追いつき、追い越すことができるため、若いうちに高収入を得ることも可能になります。実際、25歳で年収1000万円という人も珍しくありません」

 

プログラマーという仕事のやりがいとしてもう1つ、自分が手がけたシステムが、世の中のさまざまな人に活用されることが挙げられます。

 

「一つのシステムを、何人ものプログラマーで作る場合と、1人で作る場合があります。どちらの場合も、自分が生み出したものを多くの人が喜んで使ってくれる、社会の役に立っているというのは、技術者にとって大きな喜びです。

特に、1人ですべてのプログラムを手がけた場合、自分という小さな存在が、社会の多くの人にアプローチし、影響を与えることができた、という感動があります。このあたりはYouTuberという職業とも共通点があるかもしれませんね。『自分の力で社会を変えられる可能性がある』なんて、とても夢のある仕事だと思いませんか? もちろん、IT業界も成熟期を迎え、すでにメルカリやLINEのような先行した巨大サービスがありますから、以前のように『若い時に独創的なシステムを作って大ヒット』みたいなことは少ないかもしれません。でも、まだまだニッチな領域はたくさん残っているので、アイデアさえあれば夢を実現する可能性は少なくないと僕は思っています」

プログラマーになるメリットとは?

プログラマーという職種のメリットとして、Kboyさんは次のようなことを挙げます。

 

「場所にとらわれずに仕事ができるのがプログラマーの魅力です。パソコンさえあれば、地方でも海外でも働けます」

 

プログラマーは在宅でもできる仕事なので、IT企業などでは、比較的自由に時間や場所をセッティングして仕事をすることができます。また、プログラマーの使うプログラミング言語は世界共通なので、海外で働く、もしくは外国の企業に採用されて日本で働く、という選択肢も生まれます。

会社に属するだけでなく、フリーランスのプログラマーとして働くことも可能です。フリーランスなら『週に3日、5時間だけ』といったように、自分の好きなペースで働くことができるので、仕事と子育てを両立したい女性にもぴったりです。しっかりしたスキルさえあれば、フリーになってもまず仕事には困りません。

 

「プログラマーはIT系の職種のなかでも最もコアな部分を担うので、自分ひとりでスマホのアプリなどが作れるのはもちろん、プラスアルファの能力があれば、どんどん仕事の幅が広がります。営業力があって、ウェブデザインの知識もあって、マーケティングも勉強しているプログラマーがいたら最強です!いくらでも仕事の依頼が来るのではないでしょうか」

プログラマーになる方法

プログラマーになるには、いくつかの方法があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

IT系の専門学校を卒業する

専門学校は大学よりも通う年数が短いので効率的です。必要なことだけを短期間で学んで、卒業後はすぐに即戦力として働くことができます。授業が実習を中心としたカリキュラムになっていて、具体的なコードの書き方から学ぶことができるのも魅力です。さらに、就職保証制度のある専門学校なら、就職率は高いと言えるでしょう。

 

ただし、大学と違って、専門学校は途中で『プログラマーは自分に合わない』と思っても進路変更できない場合も多く、高校から進学する際にはよく考えてから決めることが大切です。また、プログラマーと一口に言ってもさまざまなジャンルがあります。システム開発を行うプログラマーもいれば、ゲームなどのコンテンツ作成に携わるプログラマーもいて、それぞれ実戦で必要なスキルは違います。自分が将来どういう分野のプログラマーになりたいか、できるだけ具体的に考えてから専攻を選ぶようにしましょう。

情報系の学部学科がある大学を卒業する

「まだ進路を決め切れないという人には、大学という選択肢もあります。プログラミングを学ぶなら、工学部などにある情報工学や情報システムといった情報系学科を選ぶといいでしょう。大学への進学は大卒という学歴も取得できるので、就職する際のアドバンテージになります」

 

特に、知名度の高い大手企業の場合、大学・大学院卒を採用条件として定めることも多いようです。大学卒は年収の面でも高くなり、最初からリーダー候補として採用されることも多いので、大手企業を志望するなら大学進学も選択肢となります。

 

「ただし、やみくもに大学に行けばいいわけではありません。同じ工学部でも、本格的にプログラミングを学べない機械工学や電子工学といった学科を出たのでは、ほかの志望者に対する優位性がないからです。ましてや、理系だからといって、生物系や科学系を学んでもプログラミングの知識は身に付かないので、あまり意味はないでしょう。プログラマー採用を狙うなら、大卒という学歴だけでは勝負できないのです」

 

また、大学は専門学校に比べて学費が高くなるケースが多いため、明確にプログラマーを志望している場合には、専門学校で実践的な教育を受けたほうがいいかもしれません。

 

独学でスキルを身につける

「プログラマーは、専門学校や大学などに通わず、独学で知識を身に付けることも十分可能です。プログラマーには、学歴よりスキルや経験が重要。ですから、採用条件に大卒以上を掲げる大手企業は別として、多くのIT企業では『4年間大学に行きましたが、プログラミングの知識はありません』という人より、『高卒ですが2年の実戦経験があります』という人を採用するものです。特にIT企業は若い人材を求めているので、極端なことを言うと、中卒でも独自に経験を積んだプログラマーの方が優位性は高いのです」

 

最近では、プログラミングの学習サイトや初心者向けの教本なども充実しているので、やる気さえあれば、時間とお金をかけずにコツコツ勉強して、独学でプログラミングを習得することも難しくないでしょう。なので、大学の学部学科が情報系でなくても、自分でスキルを身に付けてしまえばいいとも言えます。

 

「僕自身もそうでした。僕は中学生の頃からHP制作などをしていましたが、将来は宇宙に関わる仕事がしたくて、大学では機械工学を学びました。ですが、就職したのはIT系の企業で、当初は企画職としてアプリの開発に携わっていました。でも、プログラマーと一緒に仕事をするうち、プログラミングの知識がない自分がプログラマーに指示を出していることに、ひっかかりを覚えるようになったんです。それに、プログラミングのスキルがあるほうが、自分のアイデアを実現しやすいですよね。そこで、独学でプログラミングを学びながら、会社では開発中のアプリの簡単なプログラミングを手伝い、人のマネをして、少しずつプログラミングの基礎やパターンを学んでいったんです。その結果、1年でプログラマーとして転職できるまでになりました。

ただ、エントリーシートに『独学で勉強しました』と書くだけでは、説得力がないのも事実です。就職の際には、『自分でこんなアプリを作ってリリースしました』など、実績をアピールするのがいいと思います」

プログラマーに求められる適性やスキルは?

プログラマーになるためには、当然プログラミング知識は必須です。では、プログラマーに向いているのはどういう人なのか。ほかにも身に付けておきたいスキルや、取っておいた方がいい資格などはあるのでしょうか?

向いているのは「学ぶことが苦にならない人」

IT業界のテクノロジーの進歩には目覚ましいものがあり、トレンドの入れ替わりも激しくなっています。2、3年前まではよく使われていた技術や手法が、すぐに時代遅れになることも少なくありません。なので、プログラマーとして長く活躍し続けられるのは、どんな技術のニーズが高まっているのかをいち早くつかんで、最新のテクノロジーを積極的に勉強し続けられる人です。

 

「勉強はもちろん、趣味でも好きなことでも、何かをとことん突き詰めて調べたり学んだりすることが苦にならない人は、プログラマーに向いていると思います。それで言うと、本気で受験勉強をしたことがある人は、集中力や粘り強さも身に付いているので、有利かもしれませんね。この『粘り』というのも、プログラマーには大切なんです。プログラマーの仕事はトライ&エラーの連続なので、エラーが解決できるまで、粘り強く試行錯誤できる能力は欠かせません。ただ、この能力は仕事を通じて養えるものでもあるので、今はそれほど自信がなくても大丈夫ですよ」

「コミュニケーションスキル」があれば仕事の幅が広がる

コミュニケーション能力もまた、プログラマーには必要なスキルです。工作機械のシステムなど、大がかりなプログラミングは基本的にチームで行います。ですから、仕事を進めるうえで、同じチームの人やシステムエンジニアの意図を汲み取り、自らの状況や問題点を的確に伝える力が必要になるのです。

 

「1人ですべてのプログラミングを手がける場合もありますが、コミュニケーション能力が高いほうが、大手の会社などでは活躍できると思いますよ」

「問題解決スキル」があれば、理系・文系は関係ない

プログラマーには問題解決スキルも重要です。問題解決スキルとは、システムがうまく動かなかった時に、原因を見付けて解決策を考えるスキルのことです。

先ほども触れましたが、プログラマーの仕事にはエラーや誤動作がつきもので、たった1文字の書き間違いでもエラーが発生してしまいます。そのたびに、どこに問題があったのかを効率的に見付け出し、適切な解決策を考えられるプログラマーは、生産性が高いと評価されます。

 

「よくプログラマーは数学が得意でないとなれないと誤解されますが、そんなことはありません。3Dゲームのような特殊なものを作るプログラマーでなければ、算数の知識さえあれば十分です。だから『理系だから向いている』とか『文系だから向いていない』ということではなく、この問題解決スキルを持っているかどうかが大事なんです」

数学の知識は必要ありませんが、プログラミングを行ううえで、『数学的な思考』は重要になります。プログラミングでは、複雑な作業を論理的に行っていく必要があります。そのため、道筋を立てて物事を考える『論理的思考能力』も大切になるのです。理系の人はこういう思考の仕方に慣れているため、『プログラマーには理系が有利』と思われている面はありますが、決して文系が劣るというわけではないのです。

資格は必ずしも必要ではない

プログラマーになるために、資格は必ずしも必要なものではありません。でも、資格取得のための勉強をすれば、自然にプログラマーに必要な知識やスキルが身に付く、というメリットがあります。

資格試験には、『基本情報技術者試験』、『応用情報技術者試験』などがあります。未経験者なら、まずは基本情報技術者試験にチャレンジしてみるといいでしょう。情報処理推進機構(IPA)が運営する国家試験で、ITエンジニアに必要な基本知識を学べる資格として、IT関連企業で働きたい人やプログラマー、システムエンジニアを目指す人が多く受けています。合格率は、IPAが発表している統計情報によると、令和4年度11月実施分の基本情報技術者試験は約35%、例年は40%前後だそうです。

より取得しやすい『ITパスポート試験』というものもあります。こちらは経済産業省が認可する国家資格です。ITパスポート試験は、ITやプログラミングの基礎中の基礎を身に付けることができる試験なので、初心者がトライしやすいものになっています。

 

「資格は知識のベースとして仕事に役立ちますし、あるに越したことはないのですが、なくても不利にはなりません。なので、僕だったら、同じ時間を使うなら資格試験の勉強をするより、実際にアプリをいくつか作ってみますね。その方が実績としてわかりやすくアピールできるからです」

プログラマーの将来性

プログラマーという職種の将来性は、これからさらに需要も高まり、社会で活躍するのに申し分ない職業のひとつと言えるのではないでしょうか。その理由を具体的に見ていきましょう。

プログラマーならIT企業はもちろん、あらゆる業種で活躍できる

近年、スマホやタブレットなどを使った新しいサービスが続々とリリースされています。さらに、業種を問わず、どの企業でも必ずIT技術を利用しているため、ITの知識を持つ技術者へのニーズは高止まりしています。しかしプログラマーの数はまだまだ足りず、大幅に不足している状態です。今後もプログラマーへの求人数は引き続き増加していくでしょう。ですから、プログラマーは、メーカー、金融、医療、小売業、流通、自治体など、あらゆる業種で活躍できる職種であると言えます。

 

「ただし、メーカーや自治体などは、プログラマーに対して理解のあるところを選ぶ方がいいと思います。プログラマーの価値や使い方をきちんとわかっている企業でないと、人材をうまく活用できないし、給料も上がりません。そういう意味では、IT企業の方が働きがいはあるかもしれないですね。IT業界ですらプログラマーの数は足りていないので、これからプログラマーを目指す人も、IT業界で活躍できるチャンスは十分あります」

 

プログラミングの知識は、転職する際や副業を始めようとする際にも非常に強力な武器になります。前述したように、フリーランスになってもまず仕事には困らないでしょう。

プログラマーの年収は、一般の会社員よりも高水準

プログラマーの年収は、年齢、経験、会社に所属するかフリーで活動するか、によっても違います。

 

「プログラマーは、スキルさえあれば未経験でもプログラマーとして採用してもらえます。その場合、最初は年収400~600万円くらいでしょう。新卒でも、高いスキルや実績を持っていれば、待遇は実務経験のある中途採用とそう変わりません。その後、普通に経験を積んでいけば、年収700~800万円にはなります。僕も経験3年目で年収700万円くらいでした。それ以上は本人の努力次第です。

ただし、古くからある大手のIT企業は、プログラマーをシステムエンジニアより下位の職種と見る傾向があります。このため、年収も低く抑えられることがあるのです。今はそうした構造を持つ企業も少なくなりましたし、新しくできたIT企業の多くはシステムエンジニアもプログラマーもそれぞれに独立した専門職として見てくれるので、年収を重視したい方はそちらがおすすめかもしれません」

プログラマーの仕事環境

気になるのは、プログラマーの仕事の環境です。残業や休日出勤の多い体力勝負の仕事、というイメージもありますが、どうなのでしょうか。

 

「所属する企業のマネジメント方法にもよりますが、そうした働き方をさせる企業はかなり少なくなりました。というのも、プログラマーはスキルさえあれば引く手あまたなので、残業を強要するような企業だとすぐに辞めてしまうからです。残業をするとしても、今日中に目処をつけてしまいたいとか、区切りのいいところまで進めたいなど、自発的にしている場合が多いため、『やらされている感』はあまりありません。フレックス制や在宅勤務OKなど、自由度の高い職場環境を用意している企業の方がプログラマーからの人気が高いため、プログラマーを確保できていない多くの企業は、好待遇・好環境へとシフトしていると思います」

実際に体験して面白いと思ったらプログラマーを目指そう

「YouTubeなどを探せば、無料でプログラミングを学べる初心者向けコンテンツがたくさんあります。そうしたものを参考にしながら、簡単なものでいいので、ぜひアプリやゲームを1つ作ってみてください。その作業が楽しいな、自分に向いているなと感じたら、仕事として考えてみましょう。プログラマーに必要なのは学歴ではありません。実績です。自分はこんなアプリを作りました、こんなゲームを作りました、という実績さえ十分にあれば、プログラマーとして採用されるだけでなく、最初からフリーのプログラマーとしてやっていくことも可能です。学生のみなさんは、とにかくまずプログラムを組んでみること。パソコンを1台用意して、今すぐ始めましょう」

Kboyさんが教えてくれたように、プログラマーの仕事は実践あるのみ。頭であれこれ考えて悩むよりも、実際のプログラミングを通じて適性を見極め、同時に知識やスキルを身に付ける。これがもっとも近道なのかもしれませんね。

【監修者プロフィール】

Kboyさん
早稲田大学創造理工学部卒。プロトコーポレーションでフリマアプリの開発ディレクターを経験。その後、JX通信社で「NewsDigest」、GraffityでARアプリ「ペチャバト」の開発を経験。1年半のフリーランス期間を経て、2020年6月に現在の株式会社KBOYを創業。作ってきたアプリは20個以上。フリーランス時代から続けてきたYouTubeで登録者数2万人を達成し、満を持してFlutter大学のサービスをスタート。また、バンタンテックフォードアカデミーにて講師も勤める。

 ♦この職業を目指すなら

バンタンテックフォードアカデミー(IT・プログラミングの専門校)

https://techford.jp/course/comprehensive/

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